コーチになると自分との課題に向き合う時間も増えるのではないだろうか。
たくさんの課題と向き合うクライアントに対して、 本気で関わるコーチが自分の課題から目を背けていては、コーチングが機能しなくなる瞬間があるでしょう。
私の周りのコーチたちを見ると、皆さん真摯にクライアントのことを考えていて、自分のコーチとしての課題とも向き合い、成長しようと努力を続けています。
その姿はとても美しいですし、私も見習うことばかり。
ただ、自分のコーチとしての課題を認めることによって、今まで大事にしてきた強みと整合性が取れなくなる場合があります。
そして、自分の課題を伸ばそうと頑張るばかりに、どんどん自分に対して自信を失い自己肯定感を下げてしまう人もいるのではないでしょうか。
これでは本末転倒だ!
と感じる人もいるかもしれませんが この一連の流れは今後のコーチ人生にとっては非常にいい流れのようにも感じています。
私自身、コーチになり、一度全て自分の強みを失うような状況に、勝手に立っていた時期があります。 そうです。「勝手に」そう思い込んでいました。
ただ一度全て失われてしまった強みを拾い直した今、自分の課題と向き合うこともせずに「強み」だと思っていた過去より、ずっとその「強み」を上手に使いこなせている感覚があります。
今日はコーチングを学び、自分の現在地や自分のコミュニケーションの課題を突きつけられて、「ちょっと自信を失ってしまった」と感じる方に届けたいと思いnoteを綴ります。
先日私は所属しているトラストコーチングスクール(TCS)内で勉強会を開きました。
自分とタイプの似たコーチからのリクエストがキッカケです。 トラストコーチングスクールのコンテンツに「タイプ分けコミュニケーション分析診断」という大きく4つのタイプに分けて自分自身を分析できるテキストがあります。
タイプ分けコミュニケーション診断は、脳科学・組織行動学・臨床心理学・そしてトラストコーチング社による 5000名を超えるコーチング実績で得た情報をベースに研究されたツールです。
とはいえ、これは傾向であり、複数傾向が被っているケースもあれば、その人の心の状態で左右するもので、決めつける為にあるものではないのですが、これが1つのコミュニケーションの指標となり、人間関係を円滑にするのをサポートするとは良く感じています。
トラストコーチングスクールには現在私を含めた5名のプロフェッショナルコーチがいますが、4つのタイプそれぞれにプロコーチがいるので、最近はプロコーチが講師になって、それぞれの特性・タイプに合わせた勉強会が開催されております。
先日で私のタイプでもある 「論理型×理想思考」のFireタイプのコーチだけでコーチング勉強会をさせていただきました。 上記の図の左上がこのタイプになります。
わたくし西田はトラストコーチングスクール(TCS)をはじめて学んだ時に「論理型×理想思考」のFireタイプの数字がほぼ満点で、ぶっちぎりの「論理型×理想思考」人間でした。
あまりの極端な数字にFireタイプにちなんで「大火事」と言われたりもしていました。
特に極端な例の私がコーチになる前どんな人間だったかというと 完全なる目標達成型人間で、効率主義で戦略家。
損得勘定からのジャッジ思考。
努力や過程よりも結果が命。
ただ目標に対しては獲物を狙う肉食動物のように邁進します。
うーん。書きながら、ちょっと当時の自分が怖い・・・。 噛みちぎられそうです。笑
あー人間的に丸くなってよかったです。
ただこの過去の性格のおかげで、人間としてはツッコミ所が色々あることは横に置いて、比較的「やるぞ」と決めたことに対しては、行動と結果が伴うタイプでした。
ただ、完全なる「問題解決思考」なので、昔からママ友から相談をされてもすぐに問題解決したくなるのです。
その1つに「論理型」が当てはまります。 このタイプは色んなことをロジックに当てはめて説明するのが得意です。
「夫が家事を手伝ってくれない」 という相談に対して、ついつい 「どうしたら手伝ってくれるか?」 「なぜ夫は手伝おうとしないのか?」 の解決策を頭で考えはじめてしまいます。
ただ目の前の人は話を聞いて欲しいだけかもしれないのに、御構い無しです。
そして非効率なことが大嫌いなので、さっさとこの問題を解決してスッキリしたくなります。
これは他人だけでなく、自分に対しても同じことが言えたりもします。
今の問題は「これ」と決めたくなってしまいますし、正解は「これ」と決めたくなってしまいますし、ロジックまで説明できます。
が、それがコーチとして「心を扱う」には色々と厄介な影響を与える訳です。
人の心はそんな単純明快ではなく、とても複雑です。
また価値観や歴史や背景も密接に絡まりつくので、効率的・論理的には片付けられないことがたくさんあります。
更にこちらのタイプはプライドが高い傾向があるので、ただ単に「やれませんでした」を認められないところがあり、自分を守る為に「行動をしない理由を作るため」にもこのロジック思考が働くケースもあります。
また「理想思考」にもコーチとして気をつけないといけないポイントがあります。
このタイプは「未来」に向かって邁進する目標達成思考です。
コーチングは目標達成するためのスキル。という一面もありますから、強みでもあるのですが、このタイプは「今」をすっ飛ばして考えがちです。
時の流れは、過去から現在。現在から未来へと進んでいます。
が、しかし「今ここ」が見過ごされてしまい、未来ばかり見て走るため、自分の今の心やクライアントの「今」を見落としてしまうことが多い。
さらには自分が未来だけ見て走れたという事実から、そう出来ない人に対して否定的な対応をしてしまうこともあります。
今回の「論理型×理想思考」の勉強会でも、「今」についてのお話が何度か出ましたが、「今」をしっかりと感じ、「待つ」ことを手に入れると、今まで大量に見落としていた視点に気づく瞬間もあることでしょう。
私はコーチになる。ということは、信頼関係の土台の上でクライアントに耳の痛いことまでフィードバックをしなくてはいけません。
だからこそ自分に対しても耳の痛くなるようなフィードバックができる人間であり続けたい。
だからこそ自分の課題。言い換えるとコーチとしての「のびしろ」にも向き合っていくし、またコーチ育成に携わるようになり、「のびしろ」に対して目を背けず頑張っているコーチの皆さんを本気で応援しています。
ただ、「のびしろ」を認めることが、今まで大事にしてきた「強み」を捨てましょうということではありません。
今まで握ってきた自分の「強み」は、これからも「強み」として持ち続けていいものです。
強みと弱みは表裏一体。
その強みを持つことでのプラスの影響力もマイナスの影響力を深く知ることができたら、「強み」を振りかざすのではなく、「強み」を適材適所で活かせると思うのです。
スタートアップコーチングという私がトラストコーチングスクール内で主宰している講座ではこの「強み」「弱み」に徹底的に向き合ってもらいます。
またコーチングの「強み」「弱み」にも。 自分のサービスの弱点を知らず良いところなんて語れはしないと思っているし、 自分や自分のサービスの「課題」「弱み」を深く知るということは、あなたの「魅力」「強み」を今以上に輝かせる未来に繋がると確信しています。
私自身、コーチとしてののびしろがたくさんありましたので、1つ1つ課題に向き合い「コーチングできる状態」を作りあげてきました。
気づけばこのタイプ分け診断の結果も数年が経ち、大きく数字が変動していました。
それでは私が変わったのか?というともしかしたら変わっていないのかもしれません。
その時々で自分の意識で自分の特性を「変える」ことができるようになったのです。
自分やクライアントの為に自分の能力の上下を調節できるようになったのです。 これはコーチングを学んだ結果です。
私は安易にあなたの魅力や強みを語ったり教えたりはしません。
結局何を強みにしたいかは、本人が決めなければ強みとして輝くことはないから。
さて、あなたは自分を360度見渡して、色んな自分を感じきった後に、もう一度あなたの中の何を「強み」として拾いあげますか?
次回の「論理型×理想思考」のFireタイプの勉強はありがたいことに満席です。
前回同様、何を強みと拾い上げたいかの問いを残す時間をご提供していきたいと思います。
トラストコーチングスクール(TCS)認定プロフェッショナルコーチ
西田みゆき
タイプ分けコミュニケーション診断ができるのは
こちらのトラストコーチングスクールです↓