こんにちは。
トラストコーチングスクール(TCS)認定プロフェッショナルコーチの西田みゆきです。
今日はふと私の人生の中で転機となった言葉たちを脳から拾い集めておりました。
その中でたくさんの思い出深い言葉が目の前に集まってきた訳ですが、その中で最も猛烈なエネルギーになった言葉を今日はお伝えしたいと思います。
その言葉こそが本日のタイトル。
「この会社で続かなかったら、どこへ行っても上手くいかないわよ」
これは新卒で入った会社でたった半年でメンタルがギブアップしてしまい、マネージャーに仕事を辞めたいと伝えた時に返ってきた言葉である。
当時完全にメンタル崩壊していたので、その言葉を言われても大きなショックを受けることもなく、ただただ 「そっか。自分は一生上手くいかない人間なんだ。」と心の中で呟きながら、 目を釣り上げたマネージャーの顔をボーっと眺めていたように思う。
新卒1社目をあっけないほどあっさりリタイヤした私。
仕事を辞めてしばらくして心が復活し始めると、チクチクとあのマネージャーの言葉が疼き出し痛みを帯びた。
辞めた会社は美容業界だった。
私は学生時代メイクや髪型をセットしたり、ネイルをしたり人を美しくすることが大好きだった。
勉強そっちのけで夢中だった。
自分が学んでいた学部と全く違う美容業界に飛び込んだものの、心が弱すぎた私はエステサロンで全く友達を呼ぶことも売上をあげることが出来なかった。
技術だけはと頑張って練習しても、結局は売上を上げられない人間に価値はないという空気に耐えられず、ギブアップしたという流れである。
それまで色んな友人のメイクやヘアセットを楽しんでいたが、それから私は誰も美しくしていない。
私にはそんな価値はないと思ったからだ。
そして何より好きだった事が嫌いになった。
この1社目のリタイヤの後、私は2つ決めたことがある。
1つ目は、二度と好きな事を仕事にしないこと。
2つ目は、二度と営業の仕事をしないこと。
再就職をするにも、マネージャーが言うには、どうやら私はどこへ行っても上手くいかないらしい。
2年程付き合った彼氏はいるけど、年上の彼には「俺が30歳になるまで結婚したいとか言うなよ」と言われている。
計算するとあと5年はどうも結婚にも逃げられなさそうだ。
しばらくして、私はふらりとハローワークに立ち寄る。
求人を視線でなぞるが心が踊るものは見つからなかった。
私の決め事は2つ。 自分が好きな事と営業職以外なら問題なし。
だとしたら最も興味のなかった事務職でもしようかな。
好きなものをもう嫌いになりたくない。
元々どうでもいいものなら失敗しても痛みは少ないだろう。
そう思った私はワード・エクセル・パワポ・アクセスの資格を取得して、もう一度ハローワークの扉を開いた。
その時ある求人に目が止まった。
まず場所が自宅からすこぶる近い。
さらに「美容業界」に向けてのソフトウェアを作っているというキーワードがあった。
その時に私の胸に刺さったままだった 「この会社で続かなかったら、どこへ行っても上手くいかないわよ」 この言葉が疼き出した。
怖い。 怖い。 怖い。 と心で反芻した後に何故か私はこの会社に行くと決めていた。
そして面接ですぐさま採用が決まり、1ミリも興味のなかったIT系の事務職・コールセンターとしての毎日が始まった。 当
時最年少だった私は、我武者羅に働いた。
上司や先輩たちにとって早く戦力になって、必要とされなくてはいけなかった。
「この会社で続かなかったら、どこへ行っても上手くいかないわよ」
この言葉が、間違いだったと証明する為には、何の実績も経歴もないこの私を採用してくれて期待してくれているこの会社で踏ん張るしかないとも思っていた。
数年後、東京で美容のイベントがあり、そこに参加することになった。
スーツを来て仕事で東京に行く。というのは当時の私にとっては冒険のような時間だった。
そのイベントで一生懸命接客をしたりチラシを配ったりしていると、急に動悸がした。
遠くからでもすぐ分かった。
人混みの中でも目に飛び込んできた。 向こう側から歩いてきたのは、 「この会社で続かなかったら、どこへ行っても上手くいかないわよ」 と言ったマネージャーだった。
美容業界のイベントだから来ていてもおかしくはない。
ドキドキしならが隣にいた上司に 「あの方が前の会社のマネージャーです」 と伝えた。
そしてマネージャーに言われた言葉も続けて伝えた。
するとマネージャーと目が合った。 ご挨拶をして今の仕事を伝えると、後ろから上司が笑顔で私のことを 「すごく頑張ってくれているんですよ。」とマネージャーに伝えた。
その時に、胸に刺さっていたトゲが取れて、思わずマネージャーの後ろ姿に「ありがとう」と言っていました。
2社目の会社でも何度も自分の不甲斐なさに悔しい思いもしていたけど、いつだってマネージャーが言った 「この会社で続かなかったら、どこへ行っても上手くいかないわよ」 という言葉が私を支えていた。
落ち込んでも這い上がれたのは、この言葉があったおかげだと思う。
自分を諦めたくない。
そんな気持ちを掻き立てくれたから。
若き日の私が最も苦しめられ、最もエネルギーとなり、最も感謝した言葉はもしかしたらこの言葉かもしれない。
今思えば、数社しか在籍したことがないマネージャーが、目の前の私がこの会社以外の日本中の会社全てでやっていけないと決めつけられるはずもなかった。
少し冷静に考えたら分かることも、きっとあの日の私は考える視点もなければ、薄々気づいても知らないふりをしていたと思う。
この言葉がエネルギーになっている事を無意識に気づいていたから。
ただ本気で自分で自分を褒めてあげられるくらい頑張れていたタイミングで、マネージャーに再会できてこと。
そして尊敬していた上司にも認めてもらえたこと。
そのおかげで最高の形で、私のこの言葉の呪縛は解かれた。
私はたまたま上手く解放されたけど、 コーチングをしていて、私と同じような言葉で自分の人格を否定されて傷ついたままの人はいる。
当時のあなたが弱かった事実はあるかもしれない。
だけど、だからと言って一生あなたが価値のない人間だなんてことは、誰にも決められる訳ないのです。
人は変わる。
時代も変わる。
変容の世界でだれも未来などを現時点で決めつけることはできない。
コーチングを学び、私はあの日に決めた2つの約束を破った。
・二度と好きな事を仕事にしたいこと。
・二度と営業の仕事をしないこと。
好きなコーチングをする為に営業活動をしている日々である。
どんな過去の呪縛があなたの未来を狭めている?
トラストコーチングスクール(TCS)認定プロフェッショナルコーチ
西田みゆき
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