感情のコントロール方法を知るより大事なこと

COACH-コーチ-
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コーチングを学びたい理由に「感情のコントロールができるようになりたい」という方は多い。

人間に備わった喜怒哀楽。また「怒」を1つ取ってみても、そこから枝分かれする細かな感情は人によって色も形も影響力も違うのではないか。

コーチングを学ぶと感情が平穏でいられるようになるのか。というと、「正解」と答える人もいれば「不正解」と答える人もいるだろう。

私はどちらかというと「不正解」寄りである。

自分自身の性格を分析すると、確実に感情的な人間だ。

よく笑うし、よく落ち込むし、よく感動して泣くし、イライラすることだってある。

 

今朝も長男と喧嘩をした。

私の心の海が「凪」になることはほとんどなく、いつも何らかの波が来ている。

だからコーチングを学んだ今もなお、落ち込む時はとことん落ち込んでいるのだ。

ただ、コーチングを学ぶ前と1点全く違う点がある。

 

それは ・落ち込んでいる自分 ・イライラしている自分 ・悲しい自分 ・誰かを嫉妬した自分 いろんな自分を全く責めていないし、全てが想定内であり、愛しいとまで思えている。

極論、落ち込んでいる自分も好きなのである。

イライラしている自分も可愛いなと思うのである。

コーチングとは「正解」のない学問のはず。

しかしながら、コーチングを学んだコーチが「こうでなければならない」に苦しんでいるケースは少なくない。 いや、正直なところとても多いと思う。

例えば

「子育てのコーチングをしているから、いいお母さんでなければならない」

「パートナーシップのコーチをしているから、愛され妻でなければいけない」

「コーチングを学んでいるから、心優しく寛容で穏やかな人間でなければならない」

「素晴らしい方たちのコーチングをするのだから自分も素晴らしい人格者でなければならない」

「コーチはイライラしてはいけない」

それって本当なのだろうか? 志が高いことは誇るべきことだし、それが本当に目指す未来であれば、是非その在りたい姿に向かって突き進んで欲しいとも思う。

 

だけど、あなたがそんな「自分」に今なれていないことを責めてしまっていたり、「だから私はダメなんだ」と自分で自分を嫌いになり始めたりしてしまうのは残念なことではないだろうか。

コーチングを学んだのに「自己肯定感」が落ちた。という人は、とても真面目で勉強熱心で完璧主義である傾向が強い。

失礼承知で言うと、あなたが未熟な自分を責めている時間は、今あなたの周りにいるクライアント、過去のクライアント、未来に出会うであろうクライアントに敬意を払えていない行為とも言えるのではなのだろうか。

私は自分を選んでくれたクライアントの為にも、自分で自分を責めることにエネルギーは使いたくない。

自分を責めるエネルギーは本当に自分を消耗させる。

「こうあるべき」自分とのGAPに苦しみ、自分を責めてしまう時はどうしたら良いのだろうか。

私はそれを一瞬の魔法でポジティブ転換する方法はないと思っている。

 

ただ訓練の一つとして必要なのが、「自分に対しての視点、自分がどんな影響を与えているかの視点を増やす努力をし続けること」であると考えいる。

私は全ての感情と共存している。

無理にポジティブになろうともしないし、どんな自分も想定内で、自分の中にいる自分たちが平然な顔をして 「シクシクモードに突入でーす!」 とモードチェンジに俊敏に対応し、冷静にその自分に合わせた行動の選択している。 感情を無理してポジティブにコントロールする方法を学ぶより、どんな条件が揃うとマイナスな感情になる可能性があるか、この感情になった時の自分に対してのベストの対処法は何かを常に複数案考えておく。

 

その「自分の扱い方」を知る方が結果的に感情の波に飲み込まれることなく乗りこなせるようになるかもしれない。

ではどうしたら色んな出来事や感情の変化を想定内にできるのか。

それこそが「視点」だ。

 

誰かからの言葉に極端に反応し立ち直るのに時間がかかる人は「想定内」の範囲が狭いケースもある。

あと1つが自分に対する問いの質が悪い。これも視点の少なさくるものである。

落ち込んでいる自分だからできることもあれば、イライラしている自分に出会うから学べることも大量にある。

またそんな自分の弱さを包み隠さず伝えることで得られる信頼もあれば、その行動が全く知らない誰かの背中を押すこともあるのだ。

 

誰かとの関わりの中で起こったあなたの様々な感情たちはあなたに「新しい視点」と「自分」という人間の扱い方を教えてくれる大切な存在なのだ。

せっかくあなたの中で起こった全ての感情を責めて無駄にするのはもったいない。

世の中に溢れかえる情報とは「誰かにとっての正解」である。

たいして自分のことも相手ことも知らなくて、この現代の情報の海から、あなたの最適を選べることは極めて困難だ。

自分を愛したいなら、自分を知ろう。

相手を愛したかったら、相手を知ろう。

まずはそこから。

 

トラストコーチングスクール(TCS)認定プロフェッショナルコーチ

西田みゆき

 


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